宝石で産地が注目されるのはなぜ? 代表的な産地別エメラルドの特徴とは
宝石にまつわるさまざまな“ひみつ”を、わかりやすい解説文と美しい写真で解き明かすビジュアル学習図鑑『宝石のひみつ図鑑』を一部抜粋し、〈宝石の女王・エメラルド〉について学ぶ、前後編をお届けします。
(この記事は後編です。前編は記事下の「関連記事リンク」からご覧いただけます)。
宝石は、生まれ育った土地の成分や成り立ちによって、含まれるわずかな成分やインクルージョン(※)がちがいます。そのため、色などに産地ごとの特徴が現われます。
※…インクルージョンとは、宝石の結晶のなかに含まれるほかの鉱物や空洞、小さなひびなどです。
結晶のすき間に気体、液体、固体が入った「三相インクルージョン」が見られます。すべてのコロンビア産エメラルドにあるとは限りませんが、産地を特定する手がかりと、天然であることの証明になります。
鉱物の一種、トレモライトの針状結晶が見られます。針のように長く、交差しています。エメラルドの結晶が成長するときに取り込まれたものです。
鉱物の一種、黒雲母のインクルージョンがよく見られます。鉱山ごとに、種類のちがうインクルージョンがあります。
この記事は、『宝石のひみつ図鑑』(世界文化社)の一部を抜粋・再構成しました。