「第40回記念産経国際書展」産経国際書会会長賞に本山鈴翠さん 喜びの声
受賞作「桜月夜」は歌人、与謝野晶子の短歌「清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢う人みなうつくしき」を筆跡とにじみを生かし、情景深く書き上げたもの。
「書く直前(毎日のようにすり足している)墨を試すと、いいにじみが広がったので、一気に仕上げました」。そして「単に、線の太細をつけるのではなく、線質を意識しながら、筆の速度を駆使して表現しています」と振り返る。
書道は44歳から始め、都内の団体に所属して練習を重ね、国内外で数々の賞を受賞してきた。転機は7年前。「書家の宗像翠龍先生(日本書蒼院常任理事)の隷書、金文の筆遣いを見て震えました。他の作品とは違う」とし、以降、師と仰いでいる。
家族で焼肉店を経営する傍ら「私には生きがいの書がある。希望を胸に、これからも自分の表現を見ていただけるように励みます」と語った。(堀口葉子)