「祇園祭」4年ぶり制限なし×3連休×訪日客…80万人超の人出を見込み、「はんなりポリス」「遊撃隊」も
「お囃子を楽しんでおられるところと思いますが、警察からのお知らせにも耳を傾けてください」
今月4日、京都府警察学校(京都市伏見区)で、制服姿の女性警察官2人がマイクを手に、囲いをした四輪駆動車の屋根の上から日本語と英語で語りかけた。雑踏事故を防ぐため、群集を誘導する訓練の一環だ。
山鉾巡行は2回あり、前祭が17日、後祭が24日となっている。京都府警は、京都市中心部が午後6時から歩行者天国となる前祭の宵々山(15日)と宵山(16日)に、四条通と烏丸通の交差点に初めてこの車両を配置する。地上で誘導していたこれまでより、全体の状況が把握しやすくなり、声も遠くまで届くという。
東京・渋谷などの「DJポリス」と同じ取り組みだが、まくし立てることはせず、お囃子がやんだタイミングに合わせ、やわらかい口調で呼びかける“はんなりポリス”を心がける。
府警教養課の平田明子巡査部長(36)は「祭りの風情を壊さないよう、身ぶり手ぶりも交えて伝えたい」と意気込む。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月に「5類」に引き下げられて初めての開催となる今年は、観光客らの山鉾への搭乗や、各山鉾町が関連の飾りなどを展示する会所への立ち入りが解禁され、コロナ禍前の形に戻る。
17日の前祭の巡行は、宵々山と宵山も含めた3日間が3連休となる。このため、後祭も含めた人出は、コロナ禍前の2019年(計53万人)を上回った昨年の計80万人から、さらに増えると見込まれる。
宵山期間中は、狭い路地にも山や鉾が設置され、夜店も出て人が集中する。昨年10月の韓国ソウルの繁華街・梨泰院での雑踏事故を受けて警戒感が高まっており、府警は昨年を上回る延べ5000人態勢で警備にあたる。