豊竹呂太夫さん、来年4月に大名跡「若太夫」を襲名へ
呂太夫さんは昭和42年、三代目竹本春子(はるこ)太夫に入門。その後、四代目竹本越路太夫門下となり、平成29年、六代目豊竹呂太夫を襲名した。令和4年に太夫の最高位で、物語のクライマックスを語る「切場(きりば)語り」に昇格。人情味のある語りで時代物から世話物まで芸風は幅広く、新作文楽でも活躍している。弟子の育成にも定評がある。
祖父の十代目若太夫は豪快な中に深い情のある語りで人気を博し、晩年、視力を失っても舞台で語り続けた。呂太夫さんにとって、祖父の名跡の襲名は念願であり、襲名披露公演は来年4月の大阪、同5月の東京で行われる予定。
豊竹若太夫の名跡は江戸時代の1703年、義太夫節の元祖・竹本義太夫の高弟が独立して豊竹座を創設する際に名乗ったもので、豊竹姓の元祖とされる。