世界遺産の沖縄北部を巡る『やんばるアートフェスティバル』に注目!【沖縄シティガイド】
「シマを繋ぎ シマに響く」をテーマに、沖縄本島北部の8ヶ所の会場で、国内外30組のアーティストが参加する『やんばるアートフェスティバル2022-2023』。圧倒的な大自然の中での体験や、この地の歴史や風土から発する作品が魅力だ。
会場の1つである、やんばるの絶景を望む〈六田原展望台〉は、廃墟となった場所をいかして空間が作られていて、ひとつの展覧会として見応え十分だ。
メイン会場は穏やかな塩屋湾を望む塩屋小学校跡。廃校の体育館や校舎では、20作品の展示やワークショップ、フード出店のほか、クラフト作品の展示販売もあるので、まずここからスタートしたい。
国内の芸術祭にはあまり参加していないChim↑Pom from Smappa!Groupの話題の展示をはじめ、山内祥太や丹羽優太といった若手アーティストから、85歳で初の芸術祭参加となる西表島の染織家、石垣昭子まで、多彩なアーティストの展示が並ぶ。
校舎跡では、各教室でそれぞれのアーティストが展示を行う。隣の教室、またその隣ではまったく違った展示が続いていく。表現方法も様々で、展示教室内で公開制作を行うアーティストも。そんな予測のつかない驚きがこの会場の楽しさだ。
この芸術祭はやんばるの自然の魅力を伝えるだけでなく、漂着ごみ問題や自然との共存など、環境問題もテーマとする。また地域の誇る伝統工芸や産業、食文化を扱い、文化や風土、その魅力を来場者だけでなく、ゲストアーティストにも持ち帰ってもらう取り組みを目指しているという。
メイン会場のある塩屋エリアで400年以上続く伝統行事で国の無形文化財に指定されている「ウンガミ(海神祭)」をテーマにした屋外写真展は、北海道・白老町を拠点とするアーティスト集団〈Uyman Project〉の作品だ。大宜味村出身の写真家、平良孝七の貴重な資料写真を使用。湾と集落を歩き、ウンガミの記録と土地の記憶を追想する。