プロフェッショナル 保育士 三井大志さん 発達障害 必要な子供を笑顔に!
勤めているのは、発達支援ルーム「ピースプラント東淀川」(大阪市東淀川区)。障害があったり、発達に特性があったりする子供たちと向き合い、その状況や特性に応じた療育を行っている。
「みっちー先生は保育士なんですか、とびっくりされます。子供と関わる仕事をしたかったので高校は保育科に進みました。周りは女性が多かったけど、違和感はなかったですね」
保育士を志したのは中学2年のとき。2歳上の姉が腎臓病を患い、長らく入院生活を送る中、同じように病気と闘う子供たちを見て「外にも行けないその子たちを笑顔にしたいと思ったのがきっかけ」と話す。
高校卒業後、自宅から通いやすく、オープンキャンパスで雰囲気が気に入った「大阪保健福祉専門学校」(同市淀川区)の保健保育科に入学した。
1年生で基本的なことを学び、子供の発達など専門知識のほか、実習で使える手遊びなど実践的な技術も養った。授業が終わってからはピアノの練習があり、午後5時からはバイトと目が回るような忙しさだったが、保育士になるという思いは一度もぶれなかった。
もともと病児保育がしたかった。保育所ではなく、子供一人一人にあった関わりができる児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所を選んだ。
ピースプラントは完全1時間予約制で、利用者には好きな時間に来てもらい、子供に合わせたプログラムをこなしてもらう。
発達障害の子供は落ち着きがなかったり、他者とのコミュニケーションがとりづらかったりするとされ、当初はなかなかいうことをきいてくれない子供との接し方に悩んだ。保護者から「いろんなことをさせすぎる」とクレームがきたこともあった。
やりがいを感じ始めたのは1年目の後半。やらせるのではなく、少しずつ子供が楽しいと思える環境を整え、「この流れ気持ち良いな」と感じて動いてくれるタイミングを図った。すると、多動性のあるような子供と一瞬、つながれたような感覚があった。
例えば、足形マットを置いて「ここは待つところだよ」と教え、脚立や平均台などをセッティングしていると、子供はじっと待つことができた。平均台も合図を聞いてからスタートし、ゴールできた。ほめるところはいっぱいある。
子供の様子は一日一日変わる。ひやひやすることもあるが、「子供たちの成長を直に感じられることが一番のやりがい。今、本当に仕事が楽しい」と言い切る。
<保育士になるには> 国家資格である保育士資格を取得する必要がある。保育士養成課程のある大学、短期大学、専門学校に進学し、所定の専門教育を修了するか、各都道府県で実施されている保育士試験に合格すれば、資格を取得することができる。