3年ぶりの「六本木アートナイト」はここに注目。村上隆が「ドラえもん」を通して伝えたいこととは?
DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、六本木地区の協力施設や公共スペースなど。
テーマは「マジカル大冒険
この街で、アートの不思議を探せ!」。メインプログラム・アーティストは村上隆が務め、村上自らがキュレーションしたアーティスト12組とともに、「ドラえもん」とコラボレーションした新作のバルーン作品が六本木各所で披露される。
開催前のプレスプレビューで村上は、ドラえもんにかける想いについて次のように語った。「小さな子供たちにもわかる、アートの最初の入口になるようなものをつくりたいと思い、バルーンを藤子プロや協力してつくった。藤子・F・不二雄をはじめ、自分が幼い頃に憧れたマンガ家たちは、芸術家的な立場で世の中を変えていこうという気概があった。名実ともに芸術家だったマンガ家たちの姿勢を表現したいと思った」。
バルーン制作に参加したアーティストは、細川雄太、くらやえみ、ob、村田森、青島千穂、T9G&ナカザワショーコ、Mr.、大谷工作室、TENGAone、Kasing
Lung、タカノ綾、MADSAKI。村上はアーティストたちの今回の取り組みを次のように評する。「 日本のアニメやマンガ、ゲーム等に影響を受けたスーパーフラット的な表現をしているアーティストを選んだ。コロナによる延期で各作品の完成度があがり、満足度も高くなっているはずだ。子供たちが、大人が真面目につくった作品を『変だ』『異物だ』と感じ、そこに会話が生まれることで、アートに触れるきっかけになれば」。
ほかにも、約70組のアーティストによる約100のプログラムが六本木の各所で展開される。バルーン作品とともにその一部を見ていきたい。
まず、六本木ヒルズアリーナでは村上の代表作である「お花」を描いたドラえもんが鎮座する。高さ10メートルという過去最大級のバルーンだ。その周りには細川雄太、くらやえみ、ob、村田森、青島千穂、T9G&ナカザワショーコが制作したバルーンも並び、人々が行き交う広場を見下ろす。
「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」と「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」
が開催されている国立新美術館。館の前にはMr.、大谷工作室、TENGAone、Kasing
Lung、タカノ綾によるドラえもんのバルーンが出現。展覧会とともに楽しみたい。なお、六本木ヒルズに隣接するラピロス六本木ではMADSAKIのドラえもんも展示されているので、こちらも見逃さないようにしたい。
東京ミッドタウンにも4メートルのドラえもんが登場している。青空のようなブルーに、ドラえもんと仲間たちが描かれた作品は、裏に回ってそのアートワークを堪能してほしい。
街中に点在する作品もピックアップして紹介したい。「クリストとジャンヌ=クロード \