ポスターでNO WAR!ウクライナ侵攻へ叫び 横尾忠則さんも
◇国内外から115枚 岐阜・大垣に
同館は、1980年代から大垣市内でポスターの企画展などに携わってきた堀館長らを中心に、日本初のポスター専門美術館として96年に開館した。ポスターは美術絵画と異なり、電子データなどで容易にやり取りができ、表現の幅が広いことが特徴。館内にはウクライナのほか米国、ドイツ、フランス、ポーランド、韓国など、国内外の芸術家による反戦メッセージと、多様な色彩の絵によるB1サイズのポスター115枚が並ぶ。
堀館長は今年3月、ウクライナの惨状を伝える報道を目にし「これほど自分の非力さを感じたことはない。でも、何かしなくては」と展示を企画。これまでに培ったネットワークを通じて作品を募集したところ、29カ国、600点近い作品データが集まり、今回はそのうち115枚を印刷して展示している。世界的な芸術家、横尾忠則さんも新作ポスターを寄せた。
ただ、一部にロシアへの憎悪が前面に出たデザインもあったといい、一定の選定をした上で展示している。堀館長は「憎しみや怒りの連鎖を助長することが企画の趣旨ではない。『武力による解決は違うよ』ということを伝えたい」と話す。
同館によると、6月にはポーランドの首都ワルシャワにある「ポーランド日本情報工科大学」で、今回と同じ企画展が予定されている。「ポスターは、単なる商品広告にもプロパガンダにもなり得るが、大垣での展示がモデルとして世界中に広がり、人々の心が通じ合ってほしい」と堀館長は願っている。
入場無料。開館は午前10時~午後4時(入場は午後3時半まで)。土日祝日、8月15・16両日は休館。