草間彌生とキキ・スミスの大規模モザイク画がニューヨークの新駅で常設展示へ
作品をコミッションしたのは、ニューヨークのメトロポリタン交通局(MTA)のArts &
Design部門。「競争的なアーティスト選定プロセス」を経て草間とスミスが選定され、最終選考では、「建築デザインとロングアイランド鉄道通勤者のためのターミナルとしての将来の用途に対応した、ターミナル全体のサイトスペシフィックな提案」が求められたという。
作品の詳細はまだ明らかにされていないが、ニューヨーク・タイムズ
によると、両アーティストは床から天井まで合計200平米以上のモザイク画を制作し、そのうちのひとつは長さ30メートルにも及ぶという。公開は今年末の新ターミナルのオープン時に予定されている。
1985年に設立されたMTA Arts &
Design部門は、常設アート、デジタルアート、写真インスタレーション、グラフィックアートなど多彩なプログラムを展開しており、毎日何百万人もの地下鉄利用者のあいだに有意義なつながりを生み出すことを目指している。常設アートプログラムでは、これまで幅広い世代のアーティストによる350点以上の作品をコミッションして収蔵しており、近年はキャサリン・ブラッドフォード(2021)やニック・ケイヴ(2021)、オノ・ヨーコ(2018)、アレックス・カッツ(2018)などのアーティストによるパブリック・アート作品をコミッションしている。
ニューヨーク州知事キャシー・ホウクルは声明文で、グランド・セントラル・マディソンの開業は「ロングアイランド鉄道の100年以上にわたるもっとも大きな変化を示すだけでなく、ニューヨークの世界的に有名な芸術と文化シーンのシンボルとなるだろう」とし、「パブリック・アートはこの街の定番であり、すべてのニューヨーカーが通勤時に楽しめるよう、ロングアイランド鉄道に導入することに興奮している」とコメントしている。
MTA Arts &
Design部門長のサンドラ・ブラッドワースは、両アーティストの作品公開により「グランド・セントラル・マディソンはマンハッタンで必見の新名所となるだろう」としつつ、次のような期待を寄せている。
「この新しい公共スペースを通るすべての人に、2人の素晴らしいアーティストによるパワフルで示唆に富むアートを提供できることに興奮している。これらの素晴らしいオリジナル・アートは街の一部となり、通り過ぎるすべての人に喜びをもたらすだろう」。