「シアワセピンク」自閉症アーティスト作品 化粧品のパッケージに
瀬戸口さんは4歳で知的障害を伴う重度自閉症と診断された。特別支援学校高等部1年の時に学校に行けなくなった時期があり、母庸子(やすこ)さん(51)が暇つぶしにと紙とペンを渡し「丸でも書いたら」と声を掛けたことが創作活動につながった。
「fuco:」の名前で活動し、作品は紙一面にびっしりとカラフルな丸や三角、四角が並ぶ独特なデザインと色彩感覚が特徴。5年前に県内で開催された障害者作品展に出展したのを機にデザインがマグカップやドレスなどに採用されている。
BCLカンパニーは、拭き取るだけで洗顔やスキンケア効果がある朝用フェースマスクでは業界トップのシェアという。知的障害のある作家の著作権管理などを請け負う「ヘラルボニー」(盛岡市)を通じ、契約作家の瀬戸口さんの作品に声が掛かったという。
採用されたのはピンクや赤、青など色とりどりの丸がびっしり並ぶ「シアワセピンク」という作品。パッケージ中央に描かれたブドウや桃などフルーツの両脇を彩っている。
◇大事に持ち帰り、喜んで初パック
瀬戸口さんは発売と同時に早速購入し、初パックも経験した。庸子さんは「製品を見てすぐに自分の絵とわかり、大事に持って帰ってきた。パックも喜んで着けていた」と語る。そして「周りの人たちが『買いに行くね』『試してみるね』と言ってくれることが本人もうれしいと思う。自閉症という以外の見られ方が増えてくれれば」と話している。