スカイツリー監修、彫刻界の第一人者、澄川喜一さん死去 91歳
島根県出身。少年時代を山口県岩国市で過ごし、近所にあった木造の錦帯(きんたい)橋の造形美に魅了され彫刻家を志望。東京芸術大に進学し彫刻家の大家、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)らに師事した。卒業後は母校で後進を指導した。神社仏閣の屋根や日本刀など、日本の伝統美に通じる「そり」をテーマにした代表作「そりのあるかたち」シリーズを制作。巨大な金属のモニュメントから小さな木の彫刻まで幅広い創作活動を続け、日本各地に野外彫刻を多数手がけた。東京湾アクアラインの換気施設「風の塔」や東京都墨田区に平成24年に開業した東京スカイツリーのデザイン監修を行ったことでも話題になった。
東京芸術大教授を経て平成7年から同大学長を務めた。10年紫綬褒章、20年に文化功労者。令和2年に文化勲章受章。島根県芸術文化センター長、横浜市芸術文化振興財団理事長などを歴任した。