『「他人の家の駐車場に入って転回」は住居侵入罪になるのか? 弁護士が徹底解説』へのユーザーの意見まとめ
【写真】前後の幅ギリギリ…「どうやって停めたの?」とツッコミたくなる駐車の光景
森本弁護士は、民事・刑事の両面から次のように見解を述べます。
■民事上の検討
「人が所有する土地に勝手に入ることは許されないのは確かですが……勝手に自宅の駐車場で転回された場合、損害賠償請求をできるのか、となると難しいと思います。問題となるのは『損害が発生したといえるか』です。例えば、私有地に不法駐車された場合などは、不法駐車された期間に応じて駐車場相当額を請求できると考えられます。しかし、車を転回するために、短時間敷地に入ったことによって損害が発生したかというと微妙になります。もちろん、敷地内の物を壊された場合には損害賠償請求ができますが、何も壊されず、ただ短時間通っただけで損害が発生したとは認められないと思います。仮に、損害が発生したとしても損害額が高額になることはないので、請求する手間を考えると、損害賠償請求は現実的ではないでしょう」
■刑事上の検討
「刑法130条1項の『住居侵入罪』に該当するかが問題となります。住居侵入罪は簡単に言うと、住んでいる人の意思に反して住居に侵入することです。見ず知らずの他人が車を転回するために、自宅の駐車場内に入ってくることを歓迎する人はいないので、住んでいる人の意思には反しています。では、自宅の駐車場も“住居”に含まれるのでしょうか。本件の場合、車が転回してくることから駐車場にゲートなどは設置されていないことを前提とします。駐車場にゲートなどが設置されていなくても、同じ敷地内に家と駐車場がある場合には、駐車場も住居に含まれると判断される可能性が高いです。したがって、車を転回するために他人の駐車場に入ると、住居侵入罪が成立する可能性があります。ただし、実際に警察が動いて犯人を逮捕してくれるかというと、その可能性は高くないと思います」
結論として森本弁護士は、「車を運転する人は、どんな時でも他人の家の敷地には絶対に入らないようにしましょう。戸建住宅を持っている人は、敷地内に勝手に入ってこられないように、ゲートやポールを設置するのが建設的です」と締めくくっていました。他人の敷地に勝手に入ることは、住んでいる方に迷惑をかけることは間違いありません。法律は関係なくともやめておくのが賢明と言えそうです。
(まいどなニュース/ラジオ関西・バンク 北川)まいどなニュース