舞台は京都! 水性マジックペンで描く現代の江戸絵画作家、SETSUO KANOが個展を開催中。
江戸絵画収集家のバックグラウンドを持つSETSUO KANOは、五感を超えた感性と魂を描くことを目指す表現者だ。誰にとっても身近な画材である水性マジックペンで無常の世界を描くことを信条とし、また、観る人の感性で想いのままに感じてほしいと、作品にはタイトルを付けない。
この7月からは京都の世界遺産や国宝寺院を舞台に連続して個展を実施しており、〈東寺〉(7月19日~8月28日)では『空』をコンセプトに、真言宗御室派総本山〈仁和寺〉(8月10日~8月26日)では『寂』をコンセプトに開催した『MUJO』展は、来場者数が延べ1万人を超えた。
現在、東本願寺渉成園〈閬風亭〉で開催されている『MUJO』展は第3弾となる。渉成園は、1653年、石川丈山によって書院式の回遊庭園として作庭された、1万坪を越える広大な庭園だ。印月池を中心に風雅な書院や茶室が配置されていて、明治天皇など多くの貴人が憩いのひと時を過ごした。
個展の会場となるのは、その渉成園にある、東山を望む大書院〈閬風亭〉だ。通常は非公開の〈閬風亭〉には、現在、「坐」のコンセプトによって作成した作品を含む22点が展示されている。〈ヨギボー〉のクッションが置かれたスペースもあり、心地よいクッションに身をゆだねながら、21世紀の江戸絵画を鑑賞する、といった、エキサイティングな体験もできる。密教の世界を伝えるべく尽力した空海や日本の武士道にまで繋がるものなど、すべての作品が観る者の感性を刺激する。
東本願寺渉成園〈閬風亭〉京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町。~2022年9月19日。5時50分~17時30分(3月~10月の開門時間)。無料。