ポーラ美術館、ティルマンスと草間彌生の新収蔵を発表
新収蔵となったのは、ティルマンスが 《静物、 ボーン・エステート》を含む写真作品全10点。ティルマンスはデビュー当時から今日に至るまで、
写真表現の可能性を更新し続けており、現代を代表するアーティストのひとりだ。今回の新収蔵作品は、生活を営む部屋や、
制作現場となるアトリエの窓から射し込む光の様相をとらえたもので、ポーラ美術館美術館がこれまで収蔵してきた「光」にまつわる作品にも「新たな広がりをもたらすもの」だとしている。
いっぽう草間彌生は立体作品《ベッド、
水玉強迫》(2002)を新収蔵。同作は、白地に赤の斑点が無数にプリントされた布地で覆われていて、その内側には同じ装飾の施された大小様々な突起物が密生するベッドの作品。「Bed」の名を冠した草間の作品は、ポンピドゥー・センターに所蔵されている《My
Flower
Bed》(1962)と本作の2点のみとなっている。ポーラ美術館は、ベルト・モリゾや田中敦子、ヘレン・フランケンサーラ―、ブリジット・ライリーなどの作品を近年収蔵しており、「近代以降の女性アーティストたちの表現をたどるという観点においても、本作品は重要な役割を担う」という。
これら新収蔵作品は、 2023年1月に開幕する「部屋のみる夢―ボナールからティルマンス、
現代の作家まで」展(1月28日~7月2日)で公開される。とくに《ベッド、 水玉強迫》は今回の展覧会が国内における初公開であり、注目を集めそうだ。