香椎由宇さんが見つけた沖縄の着物。トレンドは華やかからクール&シックに!
香椎由宇(かしい・ゆう)●俳優。1987年生まれ、神奈川県出身。小学校時代をシンガポールで過ごす。2001年にモデルデビューし、05年に映画デビュー。『リンダ リンダ リンダ』で山路ふみ子映画賞新人女優賞受賞。
ヘア&メイク=坂本志穂 着付け=石山美津江 撮影協力=茶道会館 美しいキモノ夏号より
かつては王家から庶民まで、沖縄各地で愛された芭蕉布も、いまや大変貴重な最高級品。ハリのある涼やかな地風が、夏着物として憧れの的となっています。
「喜如嘉の芭蕉布」は、戦後大宜味村で芭蕉布復興にあたった平良敏子さんらの教えを伝承する重要無形文化財。いまも地域の方々が変わらぬ技術を守り続けています。
<写真>着物と帯/千成堂着物店 帯制作/上原美智子[まゆ織工房] 帯〆/渡敬 帯あげ/山﨑
今回着用した着物は、藍染の糸を織り入れる「藍ユーザー」と、網代のような模様を織り出す「ヤシラミー」の技法で作られています。一見無地感覚ながら、色彩も織模様も繊細な技が光る、通好みの一枚といえるでしょう。
<写真>着物/千成堂着物店
沖縄を代表する染色技術「紅型」。なかでも藍染で構成するものは「藍型(えーがた)」と呼ばれますが、こちらは藍型に色彩が加えられています。薄物の素材にリズミカルな模様が映えますね。
<写真>着物と帯/染織工芸ヨシダ(tel.075-841-6272) 着物制作/知念冬馬 帯〆/絞彩苑種田 帯あげ/山﨑 日傘/小宮商店 ぞうり/伊と忠
こちらは下儀保知念家(しもぎぼちねんけ)当主で注目の若手作家・知念冬馬さんによる「鳳凰雀」と題された着物。抑制の利いた色彩が現代的な雰囲気です。
海外でデザインを学んだこともある知念冬馬さんは、複数の型を使う「朧型」や表裏にぴったりと柄を染め合わせる「両面染」など、伝統的な技術を意欲的に習得。高度な技術とみずみずしいセンスで、従来の意匠と一線を画す作品を生み出しています。
<写真>着物と帯/染織工芸ヨシダ(tel.075-841-6272) 制作/知念冬馬
ほかにも、格子と花織の組み合わせが美しい写真の「与那国花織」や「首里織」「南風原花織」「琉球絣」など、沖縄染織の新作を情緒たっぷりに着こなしてくださった香椎由宇さん。
「沖縄の着物というと、伝統芸能の衣装のような、カラフルでにぎやかなものを想像していましたが、今日は驚きの連続でした。 透け感や光沢がきれいで、着ていて気持ちよくて……」と大の沖縄好きで知られる香椎さんにとっても、今回のラインアップは新鮮だったようです。
<写真>着物/銀座もとじ和織 帯/銀座もとじ和染 帯〆/渡敬 帯あげ/みふじ[加藤萬] 扇子/アトリエ・Kinami