Chim↑Pomの「プロジェクト」は止まらない。森美術館で開催中の『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』レポート。
簡単には理解されなかったり、ときに誤解されたまま、あるいは時間をかけて理解されたりしながら、意外にも結成17年目を迎えたChim↑Pomは美術館での最大規模の個展を開催中である。
主催の森美術館館長の片岡真実氏はこう語っている。
「(社会問題や世界情勢、災厄という)問題に正面から向き合い、当事者意識を持ち、さらに見る者にも当事者意識を喚起するようなことをアートを通して行ってきました。体当たりな制作方法、出来上がった作品に対してはときおり、物議を醸したこともありましたけれども本展ではその多様な視点を展覧会の中にも再現するということで展示の工夫がなされています」
さらにこの展覧会を担当した同館シニア・キュレーターの近藤健一氏は「Chim↑Pomは非常に卓越した、誰にも思いつかないようなアイディア、コンセプトをもとにそれを実現するという行動力をもち、ユーモアや皮肉などを混じえ、強いメッセージ力を持っているという点で、日本の美術界の中で独自のポジションを構えています。東日本大震災以降、彼らの国際的な活躍も目覚ましいこと、プロジェクトも大型化して展開していることなどからこの時期に彼らの回顧展をやるというのはまさにベストなタイミングなのではないかと思っています」と語っている。