会期終了間近!話題の「ディオール展」の魅力とは
(左)ジョン・ガリアーノによる“スズルカ-サン”コート(2007年春夏オートクチュール)
(右)手前の3ルックは、ムッシュディオールによる1953年の“ジャルダン ジャポネ”をキウリが再解釈したドレス(2017年春夏オートクチュール)。上段はガリアーノによる“コージ-サン”(2007年春夏オートクチュール)
ディオールの強みは、そのヘリテージの豊かさにある。フランス北西部・グランヴィルには25年余りも前から、ムッシュ ディオールが育ったヴィラを改装したクリスチャン・ディオール美術館が存在する。そして、アーカイブを一堂に集め、色のグラデーションで展開する“コロラマ”をはじめ、ビジュアルアートの域の演出で見せたのが、2017年にパリ装飾芸術美術館で開かれた『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展だ。
同展はその後ロンドン、ニューヨーク、カタールのドーハを巡回し、昨年末に東京にやってきた。なかでも、日本とディオールの70年にわたる関係性にフォーカスした展示は、東京だけのオリジナル。ムッシュからキウリまで脈々と続いてきた日本との深いつながり、そしてディオールのクラフツマンシップの神髄を、じかに目にできる貴重な機会となっている。
歴代デザイナーの代表作を見せる展示から、クリスチャン・ディオールのコーナー。背景は写真家・高木由利子の作品。展示されたドレスを実際にモデルが着用し、撮影された
ご成婚パレードで上皇后美智子さま(当時の皇太子妃)がまとったのが、ディオールのドレス(1959年4月10日)
メゾンと日本の関係性を語る部屋。手前左は、プッチーニのオペラ「蝶々夫人」をテーマにしたガリアーノの作品(2007年春夏オートクチュール)
『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』
会期:~2023年5月28日(日)
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
(事前に必ずチケットの最新情報をご確認ください)
BY MINAKO NORIMATSU