日本音コン ピアノ部門1位、坂口由侑さん「理想に向け、がんばる」
◇坂口由侑さん、理想に向けて
「自分の好きなように弾いて、結果が伴ってくれて、本当にうれしい限りです。今まで(結果は)伴わないものだと思ってたので。まあ自分が成長したというのもあるかもしれないですけど」。高校3年と大学1年の時は第2予選落ち、大学2年だった昨年は第3予選まで。4年連続の挑戦がようやく実った。
警視庁の音楽隊でホルン奏者や指揮者を務めた祖父の影響でピアノを3歳で始め、小学3年時には早くも音楽の道に進むことを決意、遊びにも行かず練習に打ち込んだ。たびたび演奏会に連れて行ってくれた祖父は昨年6月に他界。この日は祖父が大事にしていた腕時計をカバンの中に入れ、本選会に臨んだ。「情熱的なのが自分の強み」と考え、その強みを生かすため「ロマンチックなシューマンの曲を選んだ」という。
「クラシック音楽って(興味を持つ人の)人口が少ないじゃないですか。そこをなんか広げる、入り口を作っていきたいと思っていて」。そのためには絵画など異分野の芸術とコラボレーションした演奏会や、音楽のことを人々に分かりやすく伝える「ティーチングアーティスト」の活動など、さまざまなアイデアが膨らむ。これからについて、こう語った。「今までにないことをやりたくて。理想です。がんばります、理想に向けて」