アーティストはニュースや戦争をどのように描いてきたか? 町田市立国際版画美術館で「出来事との距離―描かれたニュース・戦争・日常」が6月開催へ
同時代の事件を描くことができず、故事や古典になぞらえて時事が伝えられた江戸期の浮世絵。そして、時を経るにつれ自身の軍隊経験にもとづく戦争の構造に迫る作品を発表した浜田知明など、アーティストと出来事の表現には時代や立場、時間の経過が密接に関係していることがわかる。
本展ではこうした視点からコレクションを紹介するとともに、若手アーティストたちの作品も展示。なかでも松元悠は、メディアやSNSが伝えるニュースの現場を訪れて想像を働かせ、当事者の姿を自画像で描くことで、日常と地続きにある「事件と人間の不可解さ」に分け入る注目のアーティストとして本展で特集される。6月17日にはアーティストトークも開催。
主な出品作家はゴヤ、浜田、松元のほか、月岡芳年、小林清親、畦地梅太郎、馬場檮男、石井茂雄、郭徳俊、土屋未沙、小野寺唯、ソ・ジオ。出品点数は約150点で、1章「ゴヤが描いた戦争」、2章「戦地との距離」、3章「浮世絵の見立てと報道」、4章「ニュースに向き合うアイロニー」、5章「日常にあるニュース」、6章「若手作家の作品から」の全6章を予定している。