1945年と地続きの「今」を表現。中村至男による「ヒロシマ・アピールズ2023」ポスターが完成
Finger》が完成した。
中村は神奈川県川崎市出身のグラフィックデザイナー。1990年に日本大学芸術学部を卒業し、CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)を経て、97年よりフリーランス。広告、絵本、CI、デジタルコンテンツ、映像、イラストレーション、ブックデザインなどの領域で活動している。
このポスターは、7月11日に広島市役所にて中村より松井一實
広島市長へ贈呈されており、それに伴い、東京と広島でポスターの販売を実施。今後は展示も予定されている。
中村は本ポスターの制作に当たって次のようにコメントを寄せている。
先の戦争は、物心がついた時にはもう教科書の中の昔の出来事だった。ながく平和だと思いこみ育ってしまったが、歳を重ねるほど、この世界の危うさに自分の甘さを思い知る。震災、原発事故、疫病や戦争……想像を超えることが次々と起きる時代を生き、わかったつもりで世界を憂いても、核兵器使用?まさか、と心の底に一粒の傍観が残る自分に今一度問いたい。
このポスターを制作しながら、手元のスマホに目をやると、まさに広島からG7サミットが生中継され、各国首脳陣が原爆資料館を出て記念碑へと向かっている。核兵器は人間の所業に他ならない。人が起こすことは人が止められるのだ。
そんなことを想いながら1945年と地続きの”今”を表現した。この指は人間の弱さの象徴である。「人差し指」と名づけたこの一枚。2023年、広島からの訴えをつなぐ鎖のひとつになれたらと願っている(プレスリリースより抜粋)。