プロが指南 就活の極意 グループディスカッションを突破するための基礎知識
■グループディスカッションとは
グループディスカッションとは、4~10人程度の学生が1つのテーマについて議論をして結論を出すものです。就職活動で行われている選考の一つで、本選考だけでなく、インターンシップ選考で実施する企業も多いです。グループディスカッションといっても種類は多く、評価ポイントもグループディスカッションの種類によって異なります。
■グループディスカッションの種類
グループディスカッションは大きく分けて、以下の5タイプに分けられ、評価や進め方も変わってきます。
1.アイデアタイプ
「よい仕事とは何か」「魅力的な人とは」のように、抽象的なテーマを議題に学生が1つの答えを出すタイプのグループディスカッションです。このタイプの場合、「一人一人意見を言って、議論する」という進め方になることが多いのですが、個人の価値観は違うため、一定の基準を設けないと、意見が交錯し時間内で答えがまとまらずに終わってしまうことがあります。「定義付け」を行い、共通認識を持って進めることを意識してください。企業が評価する傾向として多いのは、抽象的なテーマであることからも分かるように、結果ではなく「過程」を評価することが多いです。チームワークや協調性、コミュケーション力などが問われます。
2.課題解決タイプ
「商店街を活性化するには」「外国人観光客を増やす方法を考えよ」のように、与えられた課題について、解決策を提示することを目的としたタイプのグループディスカッションです。このタイプの進め方は、アイデアタイプ同様に「定義づけ」が重要なのですが、それだけでなく「現状分析」ができるかどうかで大きな差となります。
なぜなら、答えを出すだけでは不十分でそれが本当に妥当なのかどうか根拠がなければ意味がないからです。課題が最初から分かっているため、「現状分析」を見落として進めてしまうことが多いですが、忘れないように注意しましょう。
また、アイデアタイプ同様に個人の価値観は違うことを前提に、自分が考えるゴールと他の学生が考えるゴールは一致しない可能性が高いことを理解し、共通のゴールがイメージできるように解決策を考える前にビジョンを共有してください。
3.ディベートタイプ
「仕事は辛いか否か」「やりがいと給料のどちらが大切か」のようなテーマから、反対/賛成の立場に立って議論するグループディスカッションです。企業によっては、学生それぞれに異なる役割を与えて進めることもあります。このタイプは普通に議論を行うと、お互いに譲らない状況に陥って、議論が成り立たなくなることがよくあります。そのため、何を持って判断するのか、「判断基準」を決めることから始めましょう。この「判断基準」を自分にとって優位な判断基準に持っていけるかが最初のポイントとなります。
4.資料分析型グループディスカッション(GD)
資料を正確に読み取り、アイデアをだす能力が選考でも重視されます。課題の解決という点で、課題解決タイプと似ていますが、意見の根拠が資料になるなど自由度は低くパーソナリティーよりも能力がチェックされる傾向があります。他のタイプとは異なり、正確な結論を出すことを重視される傾向があります。
5.その他(フェルミ推定型/ケーススタディー型)
「日本全国の信号機の数はどれくらいか」といったフェルミ推定タイプや「会社の売り上げを2年間で倍にする方法を考えよ」といったケーススタディータイプもあります。このタイプは、ほかのタイプと同じく、アイデアを出し合い、結論を出すという流れで議論を進めるのが一般的です。
しかし、他のタイプと大きく異なるのは、いかにロジカルに説得力がある意見を出せるかが評価に影響するので、根拠を述べることや考えに至ったプロセスをアピールしておくことが大切になってきます。特にフェルミ推定タイプは、限られた情報を活用して結論を導きだしていくことが求められますが、一般常識なども活用しながら、説得力のある意見をだせば相応に評価されます。
このようにグループディスカッションの種類によって評価や進め方は違いがでてきますが、多くの大学で「模擬グループディスカッション」という形で対策をしています。まずは、大学が提供するサービスを活用し、足りなければ外部のイベントに参加し対策を講じましょう。書籍やインターネットで調べるだけでは対応できないことが多いので、「習うより慣れろ」の気持ちで対策を進めてください。(「内定塾」講師 齋藤弘透)