広瀬八段「シリーズ後半まで長引かせ、藤井竜王の新しい一面を見せたい」
――以前、読売新聞に載った藤井聡太竜王の本戦展望で、広瀬八段の名前が挙がっていなかったですが。
広瀬 ははは。まあ、それは、そうじゃないですか。それぐらい、最近はパッとしていなかったので。ノーマークだったと思います。
――本戦で勝っていくなかで調子をつかんでいったのでしょうか。
広瀬 竜王戦も他の棋戦の対局も増えてきて、ちょっとずつ実戦の勘というのが良くなってきたのかなと。
――広瀬八段の帰還を待っていたかのような、今期の竜王戦七番勝負開催地の印象は。
広瀬 偶然ですが、1回やったことのある場所(京都府福知山市の福知山城、福岡県福津市の宮地嶽神社など)が多いです。運命的なものを感じます。
――楽しみにしている対局場は。
広瀬 初めて誘致された静岡県富士宮市の「たちばな」さん。すごく良いところだと関係者からうかがっていまして。富士山を望むことができる景色や、割烹(かっぽう)旅館ということで、食事も楽しみです。
――七番勝負で対戦する藤井聡太竜王の将棋を、どう感じていますか。
広瀬 最近はタイトル戦という舞台にも慣れ、よりパフォーマンスが上がっている印象で、タイトル戦の方が強いという認識になっています。2日制のように持ち時間が長い将棋で、わずかなリードを守り切るという必勝パターンを身につけたというふうに思っています。
――七番勝負に向けて、対策は。
広瀬 他の棋士と同じようにするのか、全然違うことをするのか。始まる前に考えなければいけないテーマです。(藤井竜王の)直近のタイトル戦や公式戦をみて、少しでも参考になることを研究していきたいです。