別府に新たなアートプロジェクト。「Alternative-State」で4年間に8作品を制作
などの芸術文化振興事業を行ってきた混浴温泉世界実行委員会が、今年から新たなアートプロジェクト「Alternative-State」をスタートさせる。
「Alternative-State」は、昨年度の「廣川玉枝 in BEPPU」もって休止となった「in
BEPPU」に続くものとして、本年度10月よりスタート。「世界を異なる形で再生させる旅の入り口」をコンセプトに、将来が期待される若手から国際的な巨匠まで、半年ごとに1組のアーティストを招聘し、4年間で8つの作品を制作するという。
制作された作品は、市内の特徴的な場所を舞台として長期間展示。異なる場面がそれぞれに関係しながらある大きな物語を表現することで、アートサイトとしての大分県別府市の魅力向上を目指す。
皮切りとなる1作品目は、これまでに全世界で開催した個展は100を超える国際的なアーティスト・サルキスによる新作だ。
サルキスは1938年イスタンブール生まれ。64年よりパリ在住。
伝説的な展覧会「態度が形になるとき」(クンストハレ・べルン、1969年)をはじめ、2度のドクメンタ(1977年、82年)
に参加。また第56回ヴェネチア・ビエンナーレ(2015年)ではアルメニア館代表として金獅子賞を受賞。世界各国で多くの展覧会に参加している。
サルキスは2009年の「混浴温泉世界」に参加しており、別府の歴史や文化を感じさせる2つの場所で作品を発表。以来、別府との友情を育んできた。今回発表する新作《Les
Anges de
BEPPU/別府の天使 》は、虹色に光り輝く「天使」が別府市中心市街地の夜空に浮かびあがるというもの。虹色の有機的な光の線によって象られた天使の両翼が、JR別府駅からほど近いホテル「AMANEK
Inn
Beppu」の屋上看板に設置される。作品が見られるのは夜間のみ。8秒ごとに明滅を繰り返すリズムは、アーティスト自身の呼吸のリズムをもとにしたものだという。
本作の公開にあわせて、別府市民とサルキスとの13年間にわたるつながりの象徴ともいえるワークショップ「水のなかの水彩画アトリエ」も実施される。
なおサルキスに続く「Alternative-State」第2弾は、2023年2月に実施される予定となっている。