「ドラクエ」の呪文から命名。個展「森洋史はモシャスをとなえた!」が銀座 蔦屋書店で開催
CONTEMPORARY」で開催。森の原点とも言えるシルクスクリーン技術を用いたペインティング作品と、NFT作品の両方を展示・販売する。会期は10月28日~11月6日。
森洋史は古典やポップ・アートの名画、アニメやマンガ、ゲームなど既存のイメージを組み合わせるパロディの手法を用いる現代美術家。その制作においては、幼い頃から慣れ親しんだコンテンツに最新の素材やテクノロジーの掛け合わせることに楽しみを見出し、様々な作品を発表してきた。
森は、銀座 蔦屋書店で2018年に「Metafiction」、20年に「MOSHA」、21年に「MORYGON
KEWPIE」などこれまで多くの個展を開催してきた。今回の新作個展では、森洋史がもっとも得意とする従来のシルクスクリーンの技術を応用した平面ペインティング作品14点に加えて、森洋史・NFTクリエイティブコレクティブスタジオXYZA・CCCアートラボの3者によるNFTアートプロジェクト「MEGA」によって生まれた、森の作品をレトロゲームと組み合わせた新しいNFTアート作品を鑑賞できる。
展示タイトルにある
「モシャス」とは、人気RPG「ドラゴンクエスト」内に登場する「模写」を語源に持つ変身呪文で、海外版では「Transform」と訳されている。少年期から現在に至るまで、森にとって「模写」は制作におけるキーワードであり、慣れ親しんだイメージを独自の解釈から変形・変容・変態させる制作スタイルと重なることから、タイトルに用いられたという。
森自身もまた、本展に寄せたステートメントにて「私にとって『模写』は単純な『Copy』ではなく、正に『モシャス/Transform』ということができる』」と述べている。
制作過程で「イメージを流用する」という行為について慎重な思考を重ね、シミュレーションアートの延長線上にある自らの作品についての「オリジナリティ」を常に自問自答してきたという森。森が手がけた14点のペインティング作品とエディション数100のNFTアートを同時に展示・販売する本展は、現代アートにおける「オリジナル」について考える絶好の機会になるだろう。