「ロシアの侵略に反対を」ウクライナ女性が訴え
女性はオリハ・パーダルカさん(22)。以前はウクライナの首都キーウの南約100キロの町オリシャニツィアで暮らしていた。
日本文化などに興味があり、大学で日本語を専攻。日本政府の日本語・日本文化研修留学生として一昨年に和歌山大への入学が決まっていた。
しかし、当初はコロナ禍の影響で来日できず、オンラインで授業に参加。ようやく今年2月、日本への入国が認められた。
一方で、ロシアが今年2月、ウクライナへの侵攻を開始。オリハさんの自宅周辺も空襲などを受けた。
オリハさんは祖国を離れることにためらいもあったが、家族から「安全なところに行ってほしい」と後押しされ、日本行きを決断。現在は和歌山市内で暮らしている。
今回オリハさんが講演した集いは、戦争体験を後世に語り継ごうと、日中友好協会県連合会海南支部が企画した。
オリハさんは講演でスライドも使い、ロシアが過去にも、ウクライナへの侵略行為を3世紀以上前から断続的にしてきた歴史などを紹介。今回の軍事侵攻について、「自分たちの土地で平和に暮らせるように、子供たちが自由な民主主義国家で育つように、何千人もの若い兵士が命を失っている。私の同年代の若者は勇敢に戦いに参加している」と説明した。
また「ロシア軍は無抵抗な民間人を殺している。彼らは罪の意識が全くない。これらは21世紀のヨーロッパで現在起こっている戦争の現実です」と強調。「戦争とは、想像しうる最も恐ろしいものが全て凝縮されたもの。長引けば、さらに尊い命が奪われる」とロシアの侵攻に反対するよう呼びかけた。
講演を聞いた海南市内の女性(70)は「オリハさんからウクライナの状況を聞き、平和の尊さを改めて感じた」と話していた。