京都で若手作家の作品を買い、世界遺産の現代美術展を見に行こう。
清水坂を上って清水寺に着くと、仁王門の右側でメカニカルな狛犬が出迎える。ヤノベケンジの《KOMAINU -Guardian Beasts-》だ。高さ約3.3メートル、口もちゃんと「阿吽」の形になって寺を守る。
〈清水寺〉仁王門の左には巨大なこけしが横たわっている。アーティストユニット、Yottaの《花子》だ。《花子》はときどき「お腹すいた」などとつぶやく。いったいどこから来たのか、そもそも何者なのかよくわからないが、なんとなくかまってあげたくなるかわいさだ。
本坊塔頭である〈成就院〉は通常非公開、庭園「月の庭」が毎年期間限定で公開されている。その〈成就院〉に今回は、内部や「月の庭」に面した縁側などにアートが並ぶ。
玄関を入るとまず目に入るのが名和晃平の《PixCell-Vulture》、ハゲワシの剥製をガラスビーズで覆った作品だ。その向こうの床の間には宇宙服を着たネコのオブジェが座布団の上で寛いでいる。ヤノベケンジの《Sleeping Muse (Ship's Cat)眠れるミューズ(シップス・キャット)》だ。