アジアの宝、国立民族学博物館へ 富山の版画家の遺品2000点
金守さんは富山県高岡市生まれ。太平洋戦争中、県内に疎開した版画家棟方志功に師事し、山や湖をモチーフにした幻想的な木版画で知られた。
1980年ごろ、新聞で読んだインドネシアの少数民族の暮らしに興味を持ち、作品制作の傍ら妻嘉子さん(86)とともに現地を訪れるようになった。
中でも足しげく通ったのが、中部スラウェシ島の山岳地帯に住む少数民族トラジャの集落だった。嘉子さんによると、言葉が通じなくても「富山弁で話しかけていた」という金守さん。人々が手作りした民芸品の温かみに引かれ、次々と譲り受けた。
インドネシアへの渡航は年間少なくとも2回、累計で100回を超えた。