まちづくりと連携した演劇祭。「豊岡演劇祭2022」が3回目の開催へ
豊岡演劇祭は、演劇プログラムの提供にくわえ、まちづくりの一環としても演劇の力を活用している。フェスティバルディレクターは劇作家で演出家の平田オリザ。
実施プログラムは大きく3つに分かれる。平田がセレクトしたものや、舞台芸術の可能性を拡張するとされるものを含む「公式プログラム」、公募から選ばれる「フリンジプログラム」、企業や自治体、ほかの地域の演劇祭とコラボレーションをする「連携プログラム」だ。なかでも今年の「フリンジプログラム」は過去最多の応募数、採択数を記録した。
今年のプログラムの特徴はその「フリンジプログラム」が再編され、〈Selection〉〈Showcase〉〈Street〉の3つに部門分けされた点にあるだろう。この新たに編成された「フリンジプログラム」について簡単に紹介する。
〈Selection〉はこれまでの豊岡演劇祭フリンジを特徴づける、演劇祭コーディネーターと支援金によるサポートがつく象徴的な部門だ。作品と地域を結びつける、豊岡演劇祭ならではの公演を楽しむことができるだろう。
〈Showcase〉は複数のアーティストがひとつの会場や小劇場で作品を発表する。会場の形式や機構に制限がある代わりに、出演者のテクニカル面や宿泊のサポートを行うことで、若手や個人での発表の場を支援する狙いがある。
〈Street〉は文字通りアーティストが劇場やホールから飛び出し、街中で発表を行うことが特徴だ。演劇や舞踊に限らず大道芸のアーティストも参加することで、鑑賞者がより気軽に作品に触れられる機会が設けられている。
なお、豊岡演劇祭は豊岡市、養父市および香美町の広範囲にわたり実施されるため、アクセスには車や電車、バスの利用をおすすめする。