受験最前線 学力アップへ五感フル活用を 篠原菊則・公立諏訪東京理科大教授
学習科学に詳しく勉強法などについての著作もある脳科学者で公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授は「記憶の定着には聴覚や視覚など複数の情報を組み合わせて覚える方法が適している」と語る。いわば、ミックス型だ。
例えば、動画サイトで学習チャンネルを視聴することは効率的な学習法になるかも。もちろん、どんな動画を見るのかも大事なのだが「五感をフル活用するのが効果的」ということはヒントになるかもしれない。
また、篠原教授は、脳は知識のインプットよりアウトプットを重ねる方が、記憶が定着しやすい特性もあると話す。「問題を解いて終わりではなく、学んだ内容をかみ砕いて誰かに説明すると理解を深めることができる」という。
さらに、記憶の固定化は勉強している時間以外に行われるため、「寝る前に、覚えた内容を整理してから寝ると、効果がある」とも。きちんと睡眠をとることが大切だ。
ただ、こうした研究は発展途上であり、いろいろな学習法のなかには、科学的根拠の薄いものもあるという。万能な方法を探すというより、自分自身でさまざまな方法を試しながら、自分に合った勉強法を見つけることが大事なようだ。