直島にオープンした新施設から「アートフェア東京 2022」まで、今週末に見たい展覧会ベスト3
草間彌生の「南瓜」に代表される屋外作品や、家プロジェクト、地中美術館、李禹煥美術館などのアイコニックな施設が存在する直島に、ふたつの新しいアートギャラリーが3月12日にオープンする。
ひとつは、ベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計の9つ目の建築に、草間彌生と小沢剛の作品を展示する「ヴァレーギャラリー」。もうひとつは、06年にオープンしたベネッセハウス
パークにおける杉本博司の作品空間を拡大し整備した「杉本博司ギャラリー 時の回廊」だ。
アート・ディレクションを手がけた三木あき子が語る、「自然の豊かさや共生、根源的な祈りの心や再生といったことについて意識を促す」「自然の変化や壮大な時間の流れを体感する」ふたつの新施設で、自然に与えられる純粋な感動を味わってみてはいかがだろうか。
ヴァレーギャラリー
開館日:2022年3月12日
場所:香川県香川郡直島町琴弾地
開館時間:9:30~16:00(最終入館15:30)
休館日:年中無休
料金:ベネッセハウス ミュージアムの入館料(1300円)に含む ※ベネッセハウス宿泊者は無料
杉本博司ギャラリー 時の回廊
開館日:2022年3月12日
場所:香川県香川郡直島町琴弾地(ベネッセハウス パーク内)
開館時間:11:00~15:00(最終入館14:00)
休館日:年中無休
入館料:1500円(ラウンジでの呈茶[お茶とお菓子]代込み)
※オンライン予約制(当日予約も可能)予約サイトはこちら
これまでにない「面的な」盛り上がり。「アートフェア東京 2022」(東京国際フォーラム)
コロナ禍以来2回目の開催となる「アートフェア東京
2022」が、3月10日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開幕した。今年のフェアには国内外から約150のギャラリーが参加しており、フェア開幕前から多くのギャラリーはすでにブースを完売している。
KOTARO NUKAGAは、松山智一、平子雄一をはじめ6名のアーティストの作品を展示。とくに松⼭智一の大作《People With
People》は、これまで日本で発表された作品のなかで最大の規模を誇るもので、会場で大きな存在感を放つ。TARO
NASUでは、サイモン・フジワラやライアン・ガンダー、ミカ・タジマらによる「自分の内面がリフレクションする」ような作品が集まっており、ペロタンは、フランス人アーティストであるジャン=フィリップ・デロームの個展を開催している。
また、フェア会期中の12日にSBIアートオークションによる企画オークションが東京国際フォーラムで初めて実施。「日比谷OKUROJIアートフェア」やNFTアートフェア「Meta
Fair
#01」などのサテライトフェアも同時期に徒歩圏内の会場で開催されるなど、今年はこれまでにない「面的な」盛り上がりを見せる。国内アートマーケットの熱気を、ぜひ会場で目撃してほしい。
会期:2022年3月11日~13日
会場:東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内3-5-1
開館時間:11:00~19:00(13日~16:00)
料金:当日チケット 5000円 / 予約チケット 4000円 / レイトチケット 2000円
平面の表現における現在地。「VOCA展2022」(上野の森美術館)
平面美術の領域で、国際的にも通用する若い作家を支援するため1994年より毎年開催されている「VOCA展」。その29回目となる展覧会が、東京・上野の上野の森美術館で開幕した。
本展は、全国の美術館学芸員や研究者などに40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、全国各地から優れた才能を紹介するもの。今回は大賞のVOCA賞が川内理香子に、奨励賞が鎌田友介と近藤亜樹に、佳作賞が谷澤紗和子と堀江栞に与えられた。また、大原美術館が同館独自の選考を経て決定する大原美術館賞には小森紀綱が選ばれている。
会場では受賞者以外にも気鋭の作家の作品が揃う。なかでも、ユアサエボシや泉川のはな、野原万里絵、平田尚也などによる新たな平面表現への挑戦を感じさせる作品が会場に並ぶ。「いま」を感じられる作家たちの作品が出揃った本展で、平面の表現における現在地を堪能してほしい。
会期:2022年3月11日~30日
会場:上野の森美術館
住所: 東京都台東区上野公園1-2
電話番号:03-3833-4191
開館時間:10:00~17:00
休館日:会期中無休
料金:一般 800円 / 大学生 400円 / 高校生以下無料