勝つためにはここまでやる! 棋士の験担ぎ[千春&明夏の女流棋士ここだけの話]
皆さんは験担ぎをするタイプでしょうか。それともしないタイプ? 滅多に意識はしないけど、受験とか就活の面接とか、ここぞ、という時に……という方もいるかもしれませんね。自分の周りを見回すと、生活をかけて勝負に臨む棋士には験を担ぐ人が多いように思います。
棋士の験担ぎでまず思い浮かぶのは、上野愛咲美二冠の「縄跳び」です。対局前に必ず、縄跳びを777回飛ばれることで有名ですよね。おうちではもちろん、地方での対局の際にも必ず持参しているそうで、ルーティンの大切さがわかります。
実は私にも、ささやかな験担ぎが二つあります。一つ目が対局前日に湯船につかることです。これは院生の時から変わらなくて、リラックスするというよりは、湯船につかって、スッキリきれいな状態(?)で、対局にいきたいという思いがあります(笑)。身を清めて……という感覚でしょうか。
二つ目は、しっかり朝ご飯を食べることです。ちなみに私は白ごはんが大好きなので、対局前後は朝昼晩関係なく、家ではほとんどご飯を食べます。パンは1年に数回食べるかな? というくらいです。
では、ほかの棋士はどんな験担ぎをしているのか? 少しインタビューをしてみました。
1人目は、塚田千春初段です。
塚田初段とはこのコラムを一緒に担当させてもらっていますが、実は結構熱い人です。
まず、対局には必ずお守りを持参。さらに、対局の際は新しい服、または負けたことがない服を着るようにしているらしく、対局のために新しく服を買うこともあるのだとか。何より衝撃なのは、たとえ新しい服でも、対局で負けたら、永遠にその服は着ないという……。勝負にかける気合いが素晴らしいです。
2人目は、NHKの「囲碁フォーカス」でお世話になっている鶴山淳志八段です。
鶴山先生は、対局前日にお肉料理を食べるそうです。毎回奥様が料理してくださっているそうで、愛が感じられます。そして、腕時計3本の中から、その日の相棒にする時計を選んでいくそうです。負けたら変えて、勝っている時はその相棒をずっと使うそうです。これからは鶴山先生の腕時計も必見です!!