五輪スケートボード金メダリスト・堀米雄斗に訊く、「スケートカルチャー」とはなにか?
雄斗にとって、さらにはオリンピックに出場した他の選手にとっても、スケートボードはスポーツ競技の枠を越えたカルチャーのようだ。勝ち負けはさほど問題でなく、雄斗いわく「カッコいい人であるほうが大事」。彼らはスケートボードでつながったコミュニティのなかで、互いに支え合い認め合って暮らしている。“カッコいい人”がそのリーダーだ。雄斗は今回の本で伝えたいことについて、以下のように話した。
「オリンピック効果で、いろいろな人にスケボーが知られるようになりました。でも、スケボーはもともとスポーツでなくカルチャー。オリンピック種目になったのは今回が初で、僕が運よく出られて金メダルを取れたのは偶然のドラマのようなできごとです。競技に出場するのは楽しいですが、僕が小さな頃から憧れたのは、ストリートで滑るスケート。渡米した経験を踏まえて、アメリカで活躍するうえで必要なことをほとんど全部、この本に書いています。アメリカに行けばどういう生活になるか、アメリカに行くまでにやっておくべきことはなにか、読む人が知りたいことを伝えられたら嬉しいですね。僕のストーリーを子どもたちやスケーターが知り、挑戦する人がひとりでも増えたらなおいいです」
『いままでとこれから』は、手探りで道を切り開いたプロスケートボーダーが示す、挑戦のプロセスでもある。