薬剤で屋外プールの清掃負担軽減 水泳授業再開で、学校関係者が注目
この薬剤は環境浄化事業を手がけるクリーンアーステクノロジー(CET、東京都港区)のプール洗浄促進剤「マグクリーンSP」。主成分は食品添加物やサプリメントとしても使用されている水酸化マグネシウムで、オフシーズンに水を張ったままのプールに一度散布するだけで翌年の清掃時に簡単に汚れを落とせるようになる。
屋外プールは使用しない期間も、防火用水などのために水を張っておく必要があり、雨水や砂、ほこりなどが混入し藻が発生、水質も悪くなる。プール槽の壁や底にこびりついた藻や汚れを落とす清掃作業は教職員や生徒にとって負担が重い。コロナ禍で水泳授業を中止し、数年間、水をためたままにしていた学校ではなおさらだ。
マグクリーンSPは、マグネシウムイオンが藻に含まれる酸性物質に反応し、ぬめりを抑制。汚れも落ちやすくなる。プール清掃を始める1カ月前までに投入すれば同様の効果を得られるという。価格はオープンだが、25メートルプールに必要な20キロの実勢価格は4万円ほど。
令和4年度は2200の小中学校が使用。こうした学校からは「壁面はスポンジたわしで軽くこするだけ、底面の汚れは水切りだけできれいになった」といった声が寄せられているという。水泳授業を再開するのを前に学校からの問い合わせが増えており、同社では新たに高校にも販路を拡大。今年度は約2800校での使用を目指している。
CETの渡辺和雄社長は「プール槽を傷めることなく、安全で楽に清掃が行える」と話し、利用を呼びかけている。(松岡健夫)