ボルボで旅した22年間が詰まった写真集、ミズカイケイコ『IN THE HEADLIGHTS』。
相棒である《ボルボ240》ステーションワゴンにカメラ、寝具、調理器具を積み日本各地を移動する。行き先を決めない一人旅は泊まる場所も決まっていない。タープの下で料理を作り、夜は車中泊。そんな22年間が詰まった写真集は、ロードムービーのような非日常性と一見日常的な人々との出会いが垣間見られる。
「私はいつも直感や偶然にまかせた旅をしていますが、結果的に自分にとって大切な人や場所にたどり着くことができるんです。普段の生活では効率の良さや損得など、頭を使って判断することが多くあります。でも直感や偶然に起こることをもっと大切にしたいし、そのことを身体で感じるために旅を繰り返しています」
旅での出会いには、運命的なものもあれば、さり気ない触れ合いもあるそうだ。
「旅の途中で出会った人を撮影させていただいた時には、ポラロイド写真をお礼にお渡ししていました。そうするとお礼のお礼にと、育てている野菜やお米をいただくことも多いんですよ」
なお全国各地で発刊記念展示を行っており、11月は東京・台東区鳥越の〈SyuRo〉にてオリジナルプリントによる写真展が開催される。
長尾敦子のアートディレクションにより、カメラがとらえた光がみずみずしく甦る。B5変形版並製112ページ。赤々舎刊。3,300円。東京では〈SyuRo〉にて発刊記念プリント展示を11月3日より開催。〈SyuRo〉東京都台東区鳥越 1-16-5 TEL 03 3861 0675。2022年11月3日~25日。12時~18時。10日・17日休。無料。