ポンピドゥー・センターが2025年末から約5年間の休館に。新たな「アートの生態系」を目指す
フランスのメディア・リベラシオン
によれば、フランスの文化大臣リマ・アブドゥル・マラクは5月10日の記者会見で新たな休館期間を発表。当初、改修工事は2023年から、同館の設立50周年となる2027年にかけて行われる予定だったが、来年のパリ・オリンピック開催期間中も開館できるよう、1年間の延期が決定されたという。移転と段階的な閉鎖は2024年秋に始まり、約1年半後の26年初頭に工事を開始するという。
1977年に開館した同館は、1997年から2000年にかけて一度のみ改修工事が行われた。今回の工事では、ファサードの全面的な改修やアスベスト除去工事、防火対策、建物のエネルギー最適化、アクセシビリティ向上などが予定されている。
マラク文化大臣は、開館以来3億人が訪れたポンピドゥー・センターは「単純に消耗している」ため、現在ではより構造的な作業が必要になっているとし、今回の改修により30年の再開時には「1970年代とはまったく異なるフランスとアートの生態系が提示できる」と述べている。
リベラシオンの報道によれば、リニューアルした同館では、かつてバス専用だった地下駐車場を統合し、巨大な地下公共広場をつくることになるという。また、4階にコレクション展、5階と6階には企画展のための展示スペースが配置される現在の組織を踏襲し、新しい特徴としては、7階のテラスが一般に開放され、南側にパブリックアクセスエリアが設けられるという。
なお、同館はソウルにおいて現地財団と新美術館を建設するパートナーシップを締結しており、休館期間中のコレクション活用が見込まれている。