寺田倉庫が伝統技術「左官」に注目。稀代の職人・挾土秀平の特別展開催へ
G3-6Fで、左官職人・挾土秀平の特別展「土に降る」が開催される。本展は、日本の伝統的な技術である左官に注目し、ビルも立ち並ぶ天王洲の倉庫空間において、「土」「水」「光」といった自然とつながる美意識を表現する試み。会期は2023年1月21日~2月14日。
挾土秀平は、1962年生まれの日本を代表する左官職人。これまでに、ザ・ペニンシュラホテル東京、アマン東京、羽田空港国際線JALファーストクラスラウンジ、馬事公苑などのほか、NHK大河ドラマ「真田丸」の題字・タイトルバックも手がけてきた。
挾土は、稀代の職人であると同時に、卓越した技術を作品に注ぎ込む作家でもある。その土を用いて制作される挾土のアート作品は自然素材の質感や色を伝え、一貫した美意識が感じられる。
本展の展示会場である倉庫では、自然とつながる美意識を表現すべく、500平米の床一面に「土」を敷き詰めるという大胆な会場デザインとなっている。この異世界のような空間に、本展のために制作した大型のステンシル作品など渾身の新作3点を含む作品群が展示され、独自の世界観を構築するという。
挾土は、本展に次のようなコメントを寄せている。
人間らしさ、生身であること、
これこそが「ものづくり」の根源である
今の時代とはひと味違うアナログ感、
自然観、環境的な社会性、
「土」「水」「光」でつくりだす美意識を
一つの世界観としてつたえたい
人間はどこからきたのか、
その原点を探すように歩くうちに、
訪れた人が自然にもてなされている
巨きな茶室とでも言うべき空間である
進化を続ける挾土秀平の「いま」を体験できる本展。都会で「土」を感じることで土地と人間の関係を身体的に再解釈し、歴史と未来に思いを馳せる時間を過ごしてみてはいかがだろうか。