受験最前線 共通テストはセンター試験と別物 特化した対策を
共通テストは大学入試改革の一環として令和3年度に導入され、単なる知識や技能だけではなく未知の状況に対応できる思考力や判断力などを問うとされている。センター試験が高校の教科書に基づいて基礎的な学習の到達度を判定する内容だったのとは大きな違いがある。
共通テストでは高校の教科書や受験用の問題集でも出合ったことのないような問題が頻出している。日常生活の場面を取りあげて設問につなげる形式の出題がみられ、そのため問題文は長く複雑になることが多い。初めて見る図表やグラフなどを読み取らせる問題も目立つ。
丸暗記を排除しようとの意図がうかがえるが、まず設問を理解するのに読解力が必要との指摘もあり、多くの受験生が時間内に解き終わらないのが実態だ。また、英語はリーディングとリスニングが各100点で同じ配点となっている。
今のところ、過去問のほか予備校が作成する予想問題などで繰り返し練習し、独特の形式に慣れるしかなさそうだ。
過去3回の共通テストでは大きく平均点が変動しており、問題の傾向や難易度も不安定だ。何とも厄介な相手だが、ほかの受験生も条件は同じ。共通テストの平均点が下がれば国公立大のボーダーラインも下がる。志望校をにらみ、ある程度は割り切って臨むのもひとつの方法かもしれない。