有田焼技法の絵画「陶彩画」京都で特別展示会
陶彩画は、厚さ約5ミリの白い陶器の板に釉薬(ゆうやく)で彩色して窯で焼き、さらにその上から再び彩色して焼く作業を十数回繰り返して完成させる。窯の中で釉薬が溶け合うため、同じ絵を描いても仕上がりが微妙に異なることもある。見る角度や差し込む光で色や表情が変化するのも陶彩画の魅力といえる。
会場となった東寺の食堂(じきどう)では、草場さんが30年にわたって描き続ける「龍」をモチーフにした作品をはじめ、地元の佐賀県武雄市のギャラリー以外での展示が珍しい「弥勒(みろく)菩薩」などを見ることができる。
バブル期に有田焼にも機械化の波が押し寄せ、職人が激減。現状を憂慮した草場さんは「400年の伝統を生かした新しい焼き物の絵画を作ろう」と陶芸家に弟子入りし、約1年で有田焼の基礎を習得した。草場さんは「絵は希望や夢を持たせてくれる。見てくださる方の心に届くものがあれば作者としてこの上ない喜び」と話している。
午前8時半~午後4時。入場無料。(田中幸美)