新宮晋+レンゾ・ピアノ。二大巨匠のコラボレーションを紹介する「Parallel Lives 平行人生 ― 新宮晋+レンゾ・ピアノ展」が大阪中之島美術館で7月開催
新宮は1937年大阪府豊中市生まれ。ピアノは1937年イタリア・ジェノバ生まれ。同じ年に生まれた2人の出会いは、関西国際空港旅客ターミナルビルの国際建築コンペにまで遡る。同ビル(1994年開港)の建築家に選ばれたレンゾ・ピアノが、1989年、「風のアーティスト」として注目を集めていた新宮晋に「見えない空気の流れを見えるようにしてくれないか」と依頼。国際線出発フロアの《はてしない空》が生まれたことを皮切りに、30年余りのあいだに2人は世界中で数多くのプロジェクトをともに進めていった。
本展では、「風」という共通テーマを持つ2人による緻密に造形された模型やプロトタイプのほか、インタラクティブ作品を手がけるイタリアのグループ、 スタジオ・アッズーロが2人のスケッチや設計図、写真をコラージュした映像を巨大サイズで投影する。
コラボレーションに加え、各々の活動にもフォーカス。新宮は《自由の翼》《月の舟NY》《空のこだま》ほか、「風のアーティスト」としての象徴的な作品を展示。
前衛的でありながら、建物の内を外の境界線を取り去り、その場所の風土との調和を重んじるデザインや設計で世界中にファンを持つピアノは、斬新な傑作建築の数々を、貴重な模型や資料、映像で詳しく紹介する。
タイトルの「Parallel Lives(パラレル・ライブス)=平行人生」とは、1~2世紀のギリシャの哲学者プルタルコスが、多数の共通した性格や人生を送った2人の偉人を比較した列伝のタイトルに由来する。
本展では、展覧会初日は86歳を迎える2人の日本で進行中の最新のプロジェクトも紹介。いまなお衰えぬ2人の創造の世界を姿を見つめたい。