一度は行きたい!「名建築の温泉宿」に泊まる、おとなの旅
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箱根の山を越えるたくさんの旅人や湯治客を迎え入れ、浮世絵師・歌川広重も滞在したという歴史ある宿だ。
江戸期、会津東山温泉は会津藩の人気湯治場だった。
そのなか『向瀧』は藩指定の保養所となり、その後、1873(明治6)年に旅館として創業した。
訪れると、千鳥破風(ちどりはふ)の大きな屋根を持つ玄関棟の威容に驚かされる。
客室は会津の棟梁と、彼のもとに参集した大工たちが、腕によりをかけて造り上げたもの。
ほとんどが数寄屋風建築であるものの、装飾のひとつひとつは部屋ごとに異なるので、何度でも訪れたくなる。
夕食に供される会津の郷土料理は滋味にあふれ、地酒がつい進んでしまう。
宿データ 住所/福島県会津若松市東山町大字湯本川向200 電話/0242-27-7501 料金/1名1泊2食付き(2名での利用時)1万9800円~+入湯税150円
日本画家・横山大観がこの地を気に入り、しばしば絵筆をとったことが、宿名の由来になっている。
大観が絶賛した眺望に加えて、日本の造園学の草分けとされる龍居(たつい)松之助が手がけた庭園も、この宿の自慢のひとつ。
夏の庭を彩る緑は、濃淡の繊細なグラデーションが美しく、日本庭園ならではの美をぞんぶんに楽しめる。
宿データ 住所/静岡県熱海市林ガ丘町7-1 電話/0557-81-8137 料金/1名1泊2食付き(2名での利用時)3万3000円~+入湯税150円