教員不足解消へ〝潜在教員〟活用 埼玉県教委、セミナーで掘り起こし
セミナーは約3時間半かけ、転職して教員になった人や復帰した教員の経験談をまとめた動画を見てもらい、待遇・福利厚生や最近の教育事情などについて説明する。希望者には個別相談に応じるほか、その場で臨時的任用教員か非常勤講師の登録手続きも行う。
県教委は11月27日にさいたま市で、12月3日に川越市でセミナーを開催。いずれも盛況で計124人が参加した。21日にさいたま市内で開くセミナーも8日現在、80人が参加を申し込んでいるという。
県内の教員不足は深刻な状況だ。10月1日現在で、本来配置すべき教員の人数に対し、小学校では131人、中学校49人、高校6人、県立特別支援学校41人と、計227人が不足している。
公立校教員採用試験の倍率は、平成28年度に3・3倍だった小学校は今年度は1・9倍に、5・5倍だった中学校は4・0倍にそれぞれ下がった。今年度の小学校の倍率は確認できる平成元年以降で最低だった。
「教員は激務」などのイメージが広がり、敬遠する風潮が広がっているとみられる。
こうした状況を踏まえ、県教委は小中学校での教員の補助業務などを大学生に体験させる「彩の国かがやき教師塾」を開き、志望者を増やす取り組みを進めている。今回は「潜在教員」に着目し、すぐに学校に配置できる人材を確保する狙いだ。(中村智隆)