小林古径の生誕140年を記念。「小林古径と速水御舟 ―画壇を揺るがした二人の天才―」が山種美術館で開催へ
生誕140年 小林古径と速水御舟 ―画壇を揺るがした二人の天才―」が東京・広尾の山種美術館で開催される。会期は5月20日~7月17日。
古径と御舟は11歳の年齢差があるが、共通点が多い。ともに歴史画・人物画からその画業をスタートさせており、1914年に再興された院展で活躍した2人は、大正時代半ば以降には細密描写による徹底した写実へと同時期に作風を変化させていった。
また実業家・原三溪から支援を受けたという点でも共通している。それぞれ渡欧経験を経たのち、古径は東洋画の「線の美」に目覚めて独自の画風を確立し、御舟は人物表現や水墨を基調とした花鳥画へと新境地を拓いていった。切磋琢磨しあった仲でもあり、年の差を感じさせず、互いに尊敬の念を抱いていた関係性であったという。
本展では古径の《極楽井》(東京国立近代美術館)、《出湯》(東京国立博物館)、《清姫》(山種美術館)や、御舟の《炎舞》[重要文化財]、《翠苔緑芝》(山種美術館)といった代表作をはじめ、初期から晩年までの名品の数々を展示。古径と御舟の交流を示す作品や言葉もあわせて紹介される。同館のコレクションにおける古径作品がすべて見ることができるというのもポイントのひとつだ。
互いに刺激を受け合いながら時代を牽引し、同時代や後世の画家たちに大きな影響を残した古径と御舟。その作品を比較しながら、2人の天才画家による軌跡をぜひとも目の当たりにしたい。