城崎温泉に生まれた長坂常のワークスペース。関西屈指の温泉地でワーケーションはいかが?
舞台芸術を中心に、国内外のさまざまなアーティストや劇団、作家が滞在制作を行う兵庫県豊岡市城崎町の〈城崎国際アートセンター〉。関西屈指の温泉地として知られるこの町に、スキーマ建築計画の長坂常が設計したワークスペース〈WORKATION IN TOYOOKA @KIAC〉がある。
堀部安嗣、二俣公一、サポーズデザインオフィスの谷尻誠・吉田愛、松井亮、imaの小林恭・マナ、関祐介など、数多くの建築家やデザイナーたちが旅館やレストランを設計する城崎温泉は、「まち全体がひとつの旅館」という考えをもつ。宿泊、飲食などに加え、長期滞在者にむけた「働く」場として加わったのが〈WORKATION IN TOYOOKA @KIAC〉だ。11台の独立したワーキングデスク、オンライン会議にも対応する個室タイプのワーキングルーム2室からなり、時に滞在するアーティストともコミュニケーションが生まれる空間として考えられた。
長坂らしい可変性の高いスペースは、イベントなどにも柔軟に対応するユニークな家具で空間を構成。OSB合板で組まれた家具はしっかり三方が囲まれ、会議や集中した仕事に向いている。
〈城崎国際アートセンター〉の館長を務め、現在は豊岡市大交流課参与として田口幹也は長坂を起用した理由を、「〈城崎国際アートセンター〉は舞台芸術を中心とした芸術活動のためのアーティスト・イン・レジデンスを行っていることもあり、クリエイターはもちちん、クリエイションに興味のある人々が関心をもってもらえる場にしたかった」と語る。岡田利規率いる劇団〈チェルフィッチュ〉の作品で会場構成を担当するなど、長坂が舞台芸術にゆかりがあることも大きかった。
住まいを離れ、温泉地でリラックスしながらクリエイティブなワーケーション。創造性を刺激してくれる長坂の空間と、町内に点在するいくつもの温泉へ。――そんな働き方を城崎温泉で楽しむのはどうだろう。
兵庫県豊岡市城崎町湯島1062。TEL 0796 32 3888。9時~17時。火曜休。ワーキングデスクはひとりにつき1時間以内500円、1時間超えの連続利用は1000円。ワーキングルームはワーキングデスク使用料+1時間当たり200円を加算。