『菅首相を悩ます「文在寅来日」問題、いっそ歓迎し踏み絵迫っては』へのみんなの感想まとめ
2018年2月9日、平昌オリンピック出席するため訪韓した安倍晋三首相は、平昌で文在寅大統領と会談した
■ 歓迎する状況にないが仏頂面で応対するわけにもいかず
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の来日問題である。今月23日の東京オリンピック開会式に合わせて、韓国側から、「文在寅大統領が訪日して、菅首相と首脳会談を行いたい」と要請が来た。この関係者がボヤいて言う。
「来てほしいバイデン米大統領からは『欠席』の返事が届き、招かざる『珍客』が来たいという。コロナ下のオリンピックなので、ただでさえ神経を遣うことは一杯ある。そこへ頭の痛い日韓首脳会談が入るというのだから、『歓迎します』という状況ではない。
もしも菅総理が、文大統領とニコニコ握手したら、秋の総選挙で有権者の心象を悪くするかもしれない。野党にあらぬ追及をされるかもしれない。韓国に対しては、安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相も一家言持っているので、対応が緩いと、秋の自民党総裁選で再選の支持をしてもらえなくなるかもしれない。
そうかといって、ムスッとした顔で文大統領に会ったら、日韓関係に角が立つ。というよりオリンピック開催国の総理として面目が立たない。それでも、韓国が徴用工問題や慰安婦問題で、日本が望むような解決策を提示してくれればよいのだが、来年3月に大統領選を控えている中で、そのような展開になるとはとても思えない。
正直言って、菅総理は『M問題』に唸っているよ」(同前)■ 日本政府に残る平昌五輪のトラウマ
実は、「M問題」には、日本として過去にトラウマがあるのだという。このスタッフが続ける。
「2018年2月、韓国の平昌(ピョンチャン)で冬季オリンピックが開かれた時、当時の安倍総理が招待を受けて、開会式に出席した。しかし文大統領は、金与正(キム・ヨジョン)党副部長ら北朝鮮訪問団のことしか頭になく、安倍総理は大いに冷遇された。おまけに、平昌から遠く離れたラブホテルのような宿泊地を与えられたため、頭に来た安倍総理は、予定を一日繰り上げて帰国してしまった。オリンピックの『M問題』は、そこから引きずっているのだ」
では文在寅大統領はなぜ、降ってわいたように訪日を決めたのか? ソウルで青瓦台(韓国大統領府)の取材を続けるジャーナリストの朴英南(パク・ヨンナム)氏が解説する。
「4月のソウル市長選と釜山市長選で歴史的敗北(2大都市計41選挙区で全敗)を喫した後、文在寅大統領は起死回生のアメリカ訪問(5月19日~23日)に出て、支持率をV字回復させました。それまで文政権は『反米政権』と思われていたのが、トランプ大統領とは気が合わなかったものの、バイデン大統領とは意気投合する姿を韓国国民に見せたからです。
同様に日本に対しても、気が合わなかった安倍首相が退陣し、強烈な右派ではない菅首相が引き継いだので、チャンス到来と思っているのです。野党『国民の力』は、文政権に『反日政権』のレッテルを貼っているので、それを払拭し、来年3月に与党『共に民主党』の候補を勝たせるためにも、訪日は有利に働くというわけです」
要は、韓国には韓国の「国内事情」があるというわけだ。結局、紆余曲折を経たものの、数少ない菅政権の「オリンピック外交」として、日韓首脳会談は実現する方向である。前へ12次へ1/2ページ