69歳で年間700回スカイダイビングをする男性、ナショジオ誌の表紙に
ドゥースト氏はふだん人と動物とのかかわりを撮影し、その橋渡しになる物語を伝えようとしている。だが、今回の仕事では、ナショナル ジオグラフィックの写真編集者カート・マッチラーから、全く異なる課題を与えられた。人の老化、さらには、健康的な生活習慣と長寿の関係を写真で表現することだ。1月号の特集では、老化の複雑さを理解し、老化を遅らせるための科学研究を紹介している。
父親がパーキンソン病と診断されたばかりのドゥースト氏にとって、このテーマは心に響くものだった。この特集のために60代や70代の人々を撮影したことで、人間とは何かを改めて認識し、老化のプロセスを一通り理解できたとドゥースト氏は振り返る。年をとることは当たり前のことではないと、同氏は言う。私たちは与えられた人生を精いっぱい生きるべきだと。
今回のようなプロジェクトでは、科学研究を人間味あふれるものにすることが重要だとドゥースト氏は説明する。研究や論文は抽象的になりすぎてしまうことがあるので、高齢者が健康かつ活動的であるための方法を視覚的に示すことが有効と考えた。
まず、長寿を体現してくれる被写体が必要だった。カムファーマン氏が60代で1年に500回以上スカイダイビングしていること、特に2022年はその回数が700回を超えているという話を聞き、彼が特別な存在であることがわかったとドゥースト氏は振り返る。
「スポーツをする命知らずの人物ではなく、これがカムファーマン氏の日常なのだということを示したいと思いました」とドゥースト氏は話す。「彼は驚くべき人です」
ドゥースト氏が読者に伝えたいメッセージは、カムファーマン氏の言葉を借りれば「決して遊ぶのをやめないこと」。つまり、人生において情熱を傾けられる何かを見つけ、それを追求するということだ。