山梨県立美術館がメタバースプロジェクトを始動。たかくらかずきの仮想展示も
同館は、2028年度に開館50周年を迎えるのを前に「新たな価値を生み出す美術館」ビジョン骨子(案)を発表
。策定中のこのビジョンにおいて、注目を集めるのが、メタバースを活用したプロジェクトだ。
このプロジェクトでは、地元山梨県出身のアーティスト・たかくらかずきが参加。2023年2月末に、美術図書室を改装した体験コーナーを整備し、たかくらかずきの新制作作品展示、作家と協働した教育普及イベントを実施するなど、本格稼働を予定している。
たかくらは1987年生まれ。東京造形大学大学院修士課程修了。3DCGやピクセルアニメーション、3Dプリント、VR、NFT
などのテクノロジーを用いて、東洋思想、とくに近年は日本仏教をテーマに作品を制作。現代美術とデジタルデータの新たな価値追求をテーマとしている。
2月の本格稼働を前に、11月30日からはプレオープンとして、たかくらの過去作を展示する「大BUDDA
VERSE」展を仮想空間で一般公開。仏像や妖怪を作品として現代に蘇らせる「NFT
BUDDHA」と「YOKAIDO」の2シリーズで構成される。また展示空間もたかくらによるもので、自然豊かな山梨県を想起させる山々に囲まれた湖の上に、西洋のミュージアムと日本の寺院を混交させた建築物が立ち現われるという。
県立美術館が取り組む意欲的なこのプロジェクト。その展開に注目したい。