キャスリーン・ライリーと苅部太郎による二人展「窓にうつる庭、そのみずみずしさ」
キャスリーン・ライリーと苅部太郎、両名の作品はそれぞれ違う角度のパースペクティブを用いて自身と他者の領域のあり方を探求している。アーティストの内的な体験を詩や彫像にするライリーの行為と、AIとのコミュニケーションによって風景写真を生成する苅部の行為の重なりはどこにあるのか、二人は対話によって探っていく中で、中国の思想家である荘子が見たとされる「胡蝶の夢」という逸話を共通するイメージとした。
他者へのアプローチは常に観察する事しか叶わない、という儚さを理解した上で、両名ともに、ある種の破壊行為を用いて侵入を試みている。その結果が自身の持ち合わせる固有の枷(マインド)から少しズレてしまうことで、他者を改めて認識しようとしている。これらはAとBとが同一のストーリーの部分(或いは構成要素)であるかという根源的な疑問への考察でもある。