『建設中のマンション崩落、高速鉄道で車輪が脱落も…韓国企業「儲け」のためなら法律・マニュアル一切無視の〝危険不感症候群〟』への皆さんの反応まとめ
【写真】外壁が崩壊する事故が起きた韓国のマンション工事現場
思い出したことがある。この国の大統領が2020年5月の就任3年特別演説で「大韓民国は世界一安全で透明性を持った生産拠点となりました」と自画自賛したことだ。
高層マンションの崩落は、光州(クァンジュ)市で1月11日に発生した。当初は「外壁崩落事故」と呼ばれた。39階建てのマンションの38階から23階までの外壁材だけが、何らかのはずみで崩落したと考えられたのだ。
しかし実際は、38階の床の窓側の部分が沈下し、その重みで階下のコンクリートがスラブ(=床板やはり)と一緒に崩れ落ちる連鎖型だった。
公開された「コンクリート打設日誌」によると、コンクリートの強度を確保するための養生期間は「冬場は2週間必要」とされるが、6日で終えていた。
作業員5人が生き埋めになっているとみられるが、スラブやコンクリ塊が時おり落下しているため、事故から1週間経っても捜索活動は進んでいない。
この建設の元請けはHDC現代産業開発。旧現代財閥の主力企業だった現代建設から、マンション建設部門が分離独立した。同社は昨年6月、同じ光州市内で解体作業中のビルが道路側に倒壊する事故を起こした。通りがかった市内バスが直撃され、17人が死傷した。
上層部から解体せず、いきなり中層部の解体を進めたのが原因だった。道路側に崩れるとは想定していなかったのだろうが、「儲けのため」ならと中層部に突進したのだ。
KTXは1月5日、忠清(チュンチョン)北道の永同(ヨンドン)トンネル付近で4号車の脱線が確認された。当初は「トンネル内の鉄製構造物が落下し、列車とぶつかった」ためと伝えられた。
ところが数時間後、脱線確認の地点より3キロ手前で、脱落した車輪が発見された。KTXは、異常を感知したセンサーの働きで急制動がかかるまで3キロ、車軸から車輪1つが抜け落ちたまま走行していた。負傷者数人で済んだことは幸いだ。
11年5月、新型KTXのモーター減速機固定台に「深刻な亀裂」が発見された。その時の車両メーカーのコメントがスゴーイ。「まだ安定化に向けた期間だから、ある程度の故障は避けられない」
十分にテストをした安全車両ではなく、故障が起きることを大前提に納入し、鉄道会社はそれで営業運転しているわけだ。
18年12月の脱線事故の直後、JTBCテレビが日本の新幹線をリポートした。その見出しには「保守作業を毎日実施」とあった。これが見出しになる背後には、KTXのどんな実態があるのだろうか。救われない国だ。(室谷克実)