日本から世界へ向けた新ブランド〈KOYORI〉、その全貌が東京で初公開に!
家具やデザインの世界では耳慣れない “アライアンスブランド” として発表された〈KOYORI〉は、日本のメーカー数社が参加する新たなブランドだ。“アライアンス”という単語は、一般的に「業務提携」といった意味で用いられることが多い。〈KOYORI〉を立ち上げたのは〈マルニ木工〉の海外展開を担う〈マルニグローバルブランディング〉で、これまで〈マルニ木工〉の海外販路を築いてきた神田宗俊(こうだむねとし)がエグゼクティブディレクターとして指揮を執る。
神田がブランドの構想を始めたのは、2016年頃のこと。アップルの新社屋〈アップル・パーク〉に深澤直人デザインのアームチェア《HIROSHIMA》を納めるべく奔走していた時期だ。世界的なデザインカンパニーへの納入という大きな成功を経て、日本のものづくりをさらに世界に広めていくためにはどうしたらよいのかを考えていくなかで、これまでの販路を活かす形で国内のメーカー数社が参加するアライアンスブランドの構築に思い至った。
神田は〈KOYORI〉の強みを「経験値のシェア」にあるという。〈マルニ木工〉の家具はいまや世界30の国と地域に展開され、ヘルツォーク&ド・ムーロン、デイヴィッド・チッパーフィールドら、世界的な建築家とプロジェクトを進めるまでに成長した。この〈マルニグローバルブランディング〉が確立した海外販路を、〈KOYORI〉に参加するメーカーは活用することができる。すでに世界での認知度が高い〈マルニ木工〉は〈KOYORI〉にあえて参加しないことで、〈MARUNI〉と〈KOYORI〉どちらのブランドの純粋性も確保する。
「日本の製造業を盛り上げ、業界のボトムアップを図るには、しっかりとしたブランディングが必要です。海外ではまずブランド周知を徹底し、国内では各メーカーの価値を高めていくような仕組みと、ビジネススキームを分けています。海外には参加するメーカー名をあえて出さずに〈KOYORI〉として打ち出し、私たちが流通や販売を担当します。対して国内では参加する一社一社が自社の看板のもとで販売を行います」