バービーの「自邸」はデザイン史の集大成です。
バービー人形が住んだ「自邸」の遍歴を、建築の観点からまとめたビジュアル本『バービー・ドリームハウス』が異例の大ヒットとなっている。
1962年に誕生し、今年61歳を迎えるバービーのファッションと部屋のインテリアの数々は、ミッドセンチュリー以降の建築とインテリアの変遷そのものだ。
また一方、シングル女性の住まいという設定のため、女性の社会進出や自由獲得など、社会の変化がインテリアを通してまざまざと見てとれる。バービーの居住空間をそれぞれパース付きでじっくり解説した本は、これが史上初。バービー好きの女性のみならず、建築家やデザイナーなど性別を問わずその道のプロを魅了しているのも不思議ではない。
制作したのは建築雑誌『PIN-UP』の創業者フェリックス・バリクターと、ジャーナリストのホイットニー・マレット。「年齢も生活環境も異なる幅広い人々から、これほど熱烈な反応を得られるとは夢にも思いませんでした」とバリクターが嬉しそうに語る。大人の遊び心と本物志向が結実した、楽しく味わい深い一冊だ。
152P、75ドル(Penguin Randam House)。現在は完売。再販が待たれる。ラファエル・デ・カルデナスはじめ気鋭の建築家やデザイナーも寄稿。発案・デザインはベン・ガンツ。